目指せ、抗菌化学療法認定薬剤師~症例編⓪~

今回は日本化学療法学会の抗菌化学療法認定薬剤師を

これから目指そうとしている人

目指しているけれど症例報告で悩んでいる人

そんな先生方に自分が症例審査を通った経験を通して、

症例報告をするうえで気を付けることについて紹介したいと思います。

(本当はこちらを先にすべきでしたが、先に症例編①を出してしまいました…

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症例報告の様式について

まず、日本化学療法学会のHPを確認してみましょう。

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症例報告は2段階構造になっています

症例報告:1段目

1段目は症例についての紹介です。

  • どんな患者さんに(年齢、性別、原疾患)
  • どんな問題が生じたか
  • どんな介入を行ったか
  • その結果どうなったか

忘れがちなのが、「その結果どうなっかか」を記載することです。

必ず結果を書きましょう。

この結果について例を挙げるのであれば、

  • 血液培養が陰性になったため、抗菌薬の投与を終了した。
  • 抗菌薬の内服を継続したまま退院となった。

一方で、残念な結果となった症例でも介入内容と根拠が適切であれば問題ありません。

  • 感染症が改善しないため他剤に変更した。
  • 抗菌薬の投与を継続したが、原疾患の増悪のため残念な結果(表現はぼかしてます。)となった。

どんな結果となっても、結果まできちんと記載しましょう。

症例報告:2段目

2段目は今回の症例から学んだことについて記載します。

もちろん、感想ではいけません。

ここでは、介入の根拠となったガイドラインやその内容について記載しましょう。

化学療法学会が発行しているガイドラインを根拠として介入していくことで、

クリアできると思います。

この参考文献をつけることは、他の学会の症例報告でも重要になってくるため、

提案や介入するときには必ず適切な根拠を提示できるようにしましょう。

症例報告に関する注意点について

次は、症例報告に関する注意点です。

HPにも症例報告に関する注意事項が記載されています。

内容を要約すると以下のような点に気を付ける必要があります。

同一症例の使用の禁止

同じ症例を複数の薬剤師が症例報告に使用してはいけません。

これは、どのような学会の認定でも記載されていることです。

同じグループで同じ症例を共有すれば簡単ですが、

もちろんそんなことをしてはいけません。

しかし、別の患者さんで、同じような症例、介入にを症例報告することは問題ありません。

同じ目標を目指す仲間を作ることは大切です。情報共有してみんなで合格できるよう頑張りましょう。

疑義紹介では不十分

症例報告でやってはいけないことの一つに

疑義紹介の内容を記載することです。

疑義紹介がいけないわけではないですが、継続して介入、観察していることが大切です。

自分も疑義紹介でも指摘できるような内容で症例報告を行っていましたが、

入院患者さんに対して継続的に介入した結果を記載していたため、合格できたと考えています

TDM症例は3報告まで

抗菌薬に関する症例報告で介入しやすい症例の一つにTDMがあります。

しかし、抗菌化学療法学会の症例報告ではTDM症例は3報までと制限されています。

バンコマイシン、テイコプラニン、アミノグリコシド系のTDM症例は3つまでです。

逆に言えば、TDMで3例分は決まるので、残りは12症例とプラスに考えることもできます。

さらに、TDMがかかわらない症例、TDMに重きを置いていない症例であれば

バンコマイシンなどTDMが必要な薬剤の症例報告は問題なくできます。

自分も、バンコマイシンのAKI発生時に他剤に切り替えた症例を非TDM症例として報告しました。

抗真菌薬での介入も可能

最後に後輩を指導している中で気が付いたことです。

抗真菌薬や抗ウイルス薬の症例報告でも問題なく使用でいます。

実は忘れている人もいますが、「抗菌」化学療法とありますが、特に問題ありませんでした。

自分の症例にも抗真菌薬の介入はありましたが問題なく合格できました。

自分では書いていませんが、抗ウイルス薬の介入事例で合格した後輩もいますので大丈夫のようです。

まとめ

抗菌化学療法学会の症例報告の書き方や注意点についてまとめました。

まずは症例一つ一つをしっかりと振り返ることが大切ですが、

これらのルールをしっかりを守って適切な症例報告を作成していきましょう。

また、「この症例は使っても大丈夫かな?」

と感じたときは、すでに合格した先輩などに聞いてみるのも良いと思います。

自分もしっかり伝えられるように頑張ります。

コメント

  1. ファーマ より:

    懐かしい気持ちで見ていました。私も抗サイトメガロウイルス感染症の症例や結核の症例を提出しましたが、特に問題はありませんでしたね。

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