今回は日本化学療法学会の抗菌化学療法認定薬剤師を
これから目指そうとしている人、
目指しているけど症例報告で悩んでいる人、
そんな先生方に自分がどんな症例を集めて症例審査を通ることができたか紹介させていただきます。

症例集積の方法
自分は5年前に抗菌化学療法認定薬剤師を取得しました。
周囲の助けもあり1年くらいで症例報告を終えることができました。
この時、実際に試験を通った症例を知ることは以下のようなメリットがあると思います。
- 正しい抗菌薬の使い方が理解できる。
- 実際に介入できる、すべき症例や介入ポイントがわかる。
- 実践を通して症例を学ぶことができる。
何よりも必要な知識と経験を同時に積むことができると感じました。
その後も同僚や後輩たちに症例を公開し、同じく合格、症例報告をしています。

抗菌薬の使い方が勉強できるのはいいね

実際に合格した症例報告を紹介するので安心してね。
症例介入の具体例
具体的で、簡単な症例介入例を何回かに分けて紹介したいと思います。
今回紹介するのは「レボフロキサシン」にまつわる症例報告です。
症例1:レボフロキサシンの相互作用
レボフロキサシンをはじめとするキノロン系抗菌薬は2価の金属イオンと結合し、
消化管吸収が低下します。
せっかくの高吸収率、高バイオアベイラビリティが台無しです。
そのため、多くの患者さんが内服している下剤:酸化マグネシウムとの併用で効果減弱が起こります。
そこで、介入が必要です。
酸化マグネシウムを内服していた患者さんに対して、レボフロキサシンを使用するにあたり、
内服時期をずらすことを提案した。
患者は毎食後に酸化マグネシウム錠を内服していたため、
レボフロキサシン錠500mg1錠を寝る前の内服を提案した。

えっ、これでいいの?

実際に症例報告が通ったからね。
これも立派な症例報告になるよ。
症例2:レボフロキサシンと腎機能低下
レボフロキサシンは添付文章にあるように、腎機能低下時は投与量の減量が必要です。
具体的には
そのため、腎機能低下患者さんへレボフロキサシンを提案する場合、
患者さんの腎機能を考慮する必要があります。
そこで、介入です。
Ccr=40ml/minの患者さんに対してレボフロキサシンが投与することになった。
そこで、レボブピバカインの投与量を初日500mg、2日目から250mgへの減量を提案した。
以上です。
この「腎機能低下患者さんへの用量調整パターン」はもちろん他の抗菌薬でも使えます。

疑義照会でもやってるし、どんどん書くぞー

さすがに疑義照会はダメだね。
病棟で長期間かかわらないと症例報告にはできないから気を付けてね。
症例3:レボフロキサシンの注射⇒経口
レボフロキサシンは注射剤と経口の2種類の投与経路があります。
そして、バイオアベイラビリティが高いため、
剤型をスイッチするときに用量を変える必要がありません。
そこで、介入です。
レボフロキサシン注で治療していた患者の末梢ルートを取るのが困難となった。
内服は可能であるため、レボフロキサシン錠の内服に変更し治療を継続した。
「内服に切り替えての治療継続」パターンです。
アミノフィリン⇒アモキシシリン
アンピシリン/スルバクタム⇒オーグメンチン®+サワシリン(通称:オグサワ)
でも同じような介入が可能です。
まとめ
いずれも実際に症例報告で合格した介入です。
「毎日やっている」「疑義照会の常連」
そのような介入でも、1症例とすることができます。
残り12症例
是非、抗菌薬の提案、症例介入を実践してみてください。
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