医薬品に関する情報をどのように集めていますか?書籍やインターネットが主だと思います。しかし、「ネットだと信頼性が低いのでないかと不安になる」「安心して調べられるホームページが知りたい」と悩んでいる先生も多いと思います。
自分は大学病院に10年以上勤務し、毎年新人職員のプリセプターやメンターを行ってきました。今回は自分が過去の自分に「社会に出た時点でやっておけばよかった」と感じる有益情報の集まるHPを3つ紹介します。
この記事を読むことで、薬剤師と情報収集の効率が上がり普段の業務でも作業の効率化に繋がると思います。今回は白鷺病院HP、成育医療センターHP、日本ジェネネリック製品教会のHPを紹介します。この記事を読んで、明日からの業務に生かしましょう。
紹介するホームページ3選
今回紹介するHPは次の3種類です。
いずれも日々の業務で医師からの問い合わせがある内容になります。これらのHPまたは紹介する書籍を確認して、問い合わせに対応できるようにしましょう。
白鷺病院HP
白鷺病院のHPは腎機能が低下した患者や透析中の患者さんに対して薬剤の適切な投与量を調べることができます。利用するにはまず会員登録を行いましょう。
登録料は無料で、一度登録すればどこからでも利用できるようになります。登録後は調べたい薬剤を検索すれば、各薬剤の腎機能に応じた投与量がまとまった資料を閲覧することができます。PDFとしてダウンロードすることもできるので、オリジナルの医薬品集を作ることもできます。
ただし、注意点が2点あります。1点目は検索が商品名である点です。後発品の一般名になれている病院薬剤師の先生方には少し手間に感じることもあると思います。2点目は腎機能低下時や透析患者への薬剤投与量の元資料にはサンフォードもあります。そのため、透析患者さんへの投与量は海外の透析機器に合わせた投与量(日本より多い)となっている可能性があります。
それらの点に注意すれば、この白鷺病院のHPは有用な資料になります。
もし書籍の方が使いやすい方であれば、「腎機能別薬物投与量POCKETBOOK」がおすすめです。まとめ記事もありますので、興味のある方はぜひご覧ください。
成育医療センターHP
成育医療センターHPには妊婦、授乳婦の方に対する薬剤の使用に関する情報が掲載されています。特に授乳中に使用できる薬剤とできない薬剤のリストが掲載されています。授乳婦さんに使用しても大丈夫な薬剤に関する情報提供には特に正確さが求められます。妊婦さんの中には薬を使用することに不安を抱える方も多いです。
本来は書籍を用いて調べるのが良いと思います。自分であれば以下の書籍を用いて確認しています。
しかし、手元に書籍がない場合、HPでの検索が必要になると思います。ところが、HPの情報は玉石混合のため、信頼できるHPを探すのは困難です。
今回紹介する成育医療センターのHPでは、授乳婦の方でも安全に使用できる薬剤、逆に使用してはいけない薬剤のリストが掲載されています。ここでは最新の情報を調べることができるので、書籍を見ることができない状況下でも簡単に調べることができます。
日本ジェネリック製品教会のHP
日本ジェネリック製品教会のHPでは先発品と後発品で適応症の異なる医薬品のリストを確認することができます。病院、特に包括払い制度(DPC)を採用している施設では後発品が販売されるとすぐに切り替えられる場合が多いと思います。
しかし、後発品の適応が先発品とは異なる場合があります。その場合、誤って先発品にしか適応のない疾患に対してであった場合、保険診療から外れてしまうこともあります。
日本ジェネリック製品教会のHPを利用すると解決できます。このHPには先発品と適応症が異なる医薬品のリストが掲載されています。
そのほかにも後発品に関する情報が多く掲載されているので、ブックマークしておくと何かと便利なHPです。
まとめ
今回は3つの便利なHPを紹介しました。
ブックマークに登録して、日々の業務に利用してください。HPの情報も正確性が求められます。これらのHPに掲載されている内容は安心ですが、情報の得方を知ることに加えて、情報が正確か判断する能力もしっかり身につけていきましょう。
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