薬剤師になって身につけたい、薬学以外のスキル5選

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薬剤師として働き始めて、学生時代との環境の変化に困っていることはありませんか?それもそのはずです。大学では6年間かけて薬学に関する講義、実習はありましたが、社会で生き抜くのに必要な知識やスキルを身につける機会は少ない人もいると思います。

自分は薬剤師として10年以上病院で勤務してきました。その間に臨床業務の他に、実務実習生の指導、教育や研究、学会発表、さらには薬剤部や病院の係や委員会をこなしています。そして、副業でXでの発信、ブログ作成をしています。その過程で身につけた、もっと早くに学習しておけばよかったと後悔するスキルを5つ紹介します。

今回紹介する5つのスキルは、ライティング、時間管理、マネーリテラシー、情報検索、感情コントロールです。

いずれも薬学部では教わる機会が少なく、社会で生きていく過程で学ぶことです。しかし、現在では書籍やインターネット、動画でもこれらのスキルを簡単に学び始めることができます。そして身につければ、必ず本業に生かすことができます。この記事を読んで、その重要性を知ったら、1日でも早く勉強し始めてください。きっとこれからの薬剤師人生に役立つはずです。

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おすすめしたい5つのスキル

薬学部では、6年間かけて薬学や薬剤師として必要な知識や技術を学びました。しかし、社会人として必要なスキルを十分に学ぶ機会は少なかったと感じます。今回は、自分がもっと早くに学び始めておけばよかったと感じている5つのスキルを紹介します。

おすすめしたい5つのスキル
  • ライティング
  • 時間管理
  • マネーリテラシー
  • 情報検索
  • 感情コントロール

順番に紹介します。

ライティングスキル

1つ目はライティングスキルです。ライティングスキルは書類や資料の作成のために必要なスキルです。薬剤師としては、カルテや薬歴を簡潔にまとめる上で必要不可欠です。電子カルテの普及とともに文字でのコミュニケーションも増えてきています。また、職場でもメールやチャットを用いた連絡が主流になっています(いまだに疑義照会がFAXな点はおいておきましょう)。そのため、書く技術は必要不可欠です。

ここでの書く技術は、良い文章を書くことではなく、読みやすく、わかりやすい文章を書くことです。これは練習すれば誰でも習得できます。よくあるコツが「PREP法」です。PREP法は、結論(Point)、理由(Reason)、具体例(Example)、結論(Point)の順に書くこと、つまり「結論を先に書く」ことです。カルテに提案をする際に、理由を先に書いて、ダラダラと長文になり、結局何を言いたいのかわからないと言われたことはありませんか?PREP法を用いて、先に結論(〇〇の処方、終始、増量、減量を定演します)を述べ、その理由は△△です、とすれば端的に必要なことを伝えることができます。

読みやすい文章は、ブログやライティングの書籍で簡単に学習することができます。また、自分自身でもブログやライター、またはX(Twitter)での発信などの副業にも繋げやすく、副業から学び本業に生かすことができるスキルの1つです。

ダイナ
ダイナ

自分もブログとXの発信を通して学んだスキルの1つです。

本業でも、学会参加や論文投稿を行うと、書籍の共著や執筆のオファーをいただくことや、大学や研修会での講義を依頼されることがあります。本業での貴重な追加収入のチャンスになります。良い文章を書くことは収入アップに繋げやすいスキルの1つです。早い段階で学び始めて、身につけていきましょう。

ライティングスキルと一緒に、タイピングの練習もするとその効果はさらに高まります。完全にブラインドタッチができなくても、正確かつ早くタイピングができるように練習しましょう。Web上にはタイピング練習ができるサイトがあるので、ぜひ試してみてください。

タイピングの速さは文章作成の速度に直結します。薬歴やカルテの記載が速くなれば業務効率が上がります。副業でのライティングでは時給にも直結するので、ライティングスキルとセットで磨きましょう。

時間管理

2つ目は時間管理スキルです。業務量が多くなると締切に追われないように時間管理スキルは必須になります。しかし、このスキルも一朝一夕には身につきません。もちろん、職場の上司がタスクやエフォート(余力)を管理して無理のない業務量を割り振ってくれるのであれば問題ありませんが、実際はそうはいきません。

自分は病院薬剤師として勤務していますが、業務は臨床、研究、教育と業務内容は多岐に渡ります。そしてそれぞれの業務を割り振る上司が異なるので、自身で業務量と時間管理ができないとすぐにタスクがたまり、エフォートは枯渇します。そうなると、大きなチャンスに巡り会えた際にみすみすチャンスを逃してしまいます。

ダイナ
ダイナ

貴重なチャンスを逃さないためにもタスク、時間の管理はできるようにしましょう。

タスク、エフォート管理で重要なのは時間管理をすることです。タスクが多い人も少ない人も1日は同じ24時間です。仕事が早い人、多くのタスクを処理している人は時間の使い方が上手なのです。そのため、そのような時間管理が上手な方の方法を真似ることが時間管理をする上での近道です。

自分の時間管理の方法を紹介します。大きく分けて2つの方法をとっています。

1、タスクを洗い出す

2、タスクを重要度と緊急度で管理する

タスクを洗い出す

まずはタスクを書き出しましょう。そして、それぞれの締切を記載しましょう。自分はGoogleのTo-Doリストを活用しています。

一度全て書き出したら、以降に追加されたタスクはどんどん書き込んでいきましょう。この時のコツはタスクの大小にかかわらずに記載することです。メールを返す、資料を送る、書類を提出する、この小さなタスクの積み重ねが時間を奪う原因なので漏らさずに確認しましょう。

タスクを重要度と緊急度で管理する

書き出したタスクの重要度、緊急度を考えましょう。そして、重要度と緊急度が高い、重要度が高い、緊急度が高い、重要でも緊急でもないの順で処理していきましょう。例えば、上司からの締切が迫っている依頼や自分が律速になっているタスクは重要度、緊急度が高いのですぐに取り掛かりましょう。一方、部屋の掃除や書類整理はどうでもいいので後回しでも大丈夫です。

このように重要度と緊急度で分けて管理することでタスクがたまりにくく、人に迷惑をかけない習慣が身につきます。さらに慣れてくると1日のタスク管理も効率よくできるようになります。医師からの問い合わせ、持参薬確認、患者さんへの服薬指導、記録の作成、重要度と緊急度で考えると時間が上手にコントロールでき、残業も少なくできるかもしれません。

すぐに完了するタスクはすぐに終わらせることもタスクを管理する上で重要です。例えば、メールの返信、完成済みの資料の送付、書類の提出など、取り掛かれば数分、長くても1時間以内に終わるものはすぐに終わらせましょう。少し手の空いた10分程度の空き時間に片付けて、より重要で緊急度が高く、考えてまとめるのに時間のかかる仕事に時間を使いましょう。

マネーリテラシー

3つ目はマネーリテラシーを身につけることです。学生時代に一度は言われたことはないですか?「医療はお金を稼ぐ手段ではないです。」ある意味で正しいことですが、お金のことを考えなくてもいいわけではありません。社会に出ると様々なお金の問題が否応なしに襲ってきます。それも悪意を持って。保険にローン、賃貸住宅、投資、いずれも大学で習うことがない内容だと思います。社会に出ると必ず体験する問題なのでしっかりと勉強しましょう。

ダイナ
ダイナ

少なくとも、NISA、iDeCo、ふるさと納税、確定申告などのキーワードの意味はわかるようにしておきたいですね。

現在は良い書籍やYouTube動画で学習することもできます。教えて貰わなかったことをそのままにして良いことはありません。騙されて損をする前に学習して防ぎましょう。

おすすめの方法の一つはファイナンシャル・プランナー3級を取得することです。1ヶ月程度の学習で取得でき、金融に関する基本を学ぶことができます。これまでに学習したことがなくても書籍やYouTube動画で十分です。一生お金で損しないためにもおすすめです。

自分が資産形成のためにしていることをまとめた記事があるので、よかったらこちらもご覧ください。おすすめの書籍等も紹介しています。

情報検索

4つ目は情報検索です。今回紹介する5つのまず、情報検索能力は仕事での成果に直結します。新しい業務に取り組む際には、過去に同様の取り組みを始めた結果や成功した事例、失敗の原因などを検索する必要があります。うまく行った方法があれば取り入れ、失敗の原因がわかれば事前に解決することができます。例えば、薬剤師として新しい医薬品の情報を収集し、類似の症例でどのように対応されたかを調査することで、より効果的な治療法を見つけることもできます。

また、情報検索能力は自己成長やキャリアの発展にも不可欠です。自身が興味がある分野やキャリアパスに関する情報を収集し、必要なスキルや資格、研修会への参加について調査することが重要です。例えば、薬剤師が特定の専門分野に進むためには、その分野での最新の研究やトピックに関する情報を収集し、自己研鑽を積むことができます。

一方で、誤った情報も存在するため、情報の信頼性や正確性には注意が必要です。情報源の確認やクリティカルな思考が求められます。絶えず情報の品質を見極める能力を養い、信頼性の高い情報を選択することが重要です。

正しい情報を手に入れることができれは、あとは実践するのみでそのスキルを手に入れることができます。GoogleやYouTubeは無料で利用できる学習ツールになり得ます。しっかり使っていきましょう。逆に間違った情報では十分な効果が得られないばかりか、自身や他の人を不幸にしてしまうことに繋がりかねません。その危険性についてもしっかり理解しておきましょう。

情報検索のみでなく、情報発信をすることでも情報感度を挙げることができます。SNSやブログでの発信をすることで、正しい情報を伝えるために必要なこと以外にも、ニーズの発掘や拡散方法なども実践を通して学ぶことができます。SNSのアカウントであれば無料で誰でも作ることができるので興味があればぜひ挑戦してみましょう。

感情コントロール

最後は感情コントロール、いわゆるアンガーマネジメントです。アンガーマネージメントは、怒りやイライラなどの負の感情を適切にコントロールし、建設的に処理するための能力です。

社会では理不尽に感じることが多々あります。また、多くの職種の方と一緒に働くこと、多くの価値観を持つ患者さんとのやりとりでストレスを感じることもあると思います。もちろんその全てを我慢する必要はありませんが、いちいち怒りを感じるのも精神衛生上よくありません。また、怒りをぶつけてしまうと多くの場合で損することが多いです。そのため、感情、特に怒りのコントロールは早いうちに身につけておくことをおすすめします。

以下に、アンガーマネジメントに必要な考え方をまとめます。

感情を認識し理解する

まず、感情を認識し理解することが重要です。怒りやイライラなどの感情が湧き上がってきたとき、その感情がどのような原因やトリガーによって引き起こされたのかを客観的に認識しましょう。自分の感情を抑えようとせずに受け入れることで、感情をコントロールするための第一歩となります。

一歩引いて冷静になる

次に、感情に反応する前に一歩引いて冷静になることが重要です。怒りやイライラが高まると、思考が混乱し行動が衝動的になりがちです。そのようなときこそ、深呼吸や数えるなどのリラックス技法を用いて、感情の高まりを鎮めましょう。感情が沈静化した状態で問題に取り組むことで、より冷静な判断が可能となります。

また、自己認識と自己管理を促進するために、感情の表現方法や感情の対処法について自己観察を行いましょう。自分が怒りを感じる状況やその対処法を振り返り、自己の感情に対するパターンや傾向を理解することで、将来的に同様の状況に遭遇した際により効果的な対処方法を見出すことができます。

他者とのコミュニケーションでの工夫

他者とのコミュニケーションにおいてもアンガーマネージメントは重要です。感情的になりやすい状況で他者とのコミュニケーションを取る際には、相手の立場や視点を理解し、共感することが重要です。感情的な反応や攻撃的な態度ではなく、冷静かつ建設的なコミュニケーションを心掛けましょう。

総じて、アンガーマネージメントには自己認識、感情のコントロール、自己管理、他者とのコミュニケーションなどのスキルが必要です。これらの考え方を取り入れることで、怒りやイライラといった負の感情を効果的に管理し、より健全な人間関係やストレスフリーな生活を築くことができます。

まとめ

今回は社会で生きていくために薬剤師でも必要なスキルを5つ紹介しました。

おすすめしたい5つのスキル
  • ライティング
  • 時間管理
  • マネーリテラシー
  • 情報検索
  • 感情コントロール

いずれも大学や職場で直接教わる機会はないと思います。そのため、自分で学ぼうと思わなければ学ぶことはできません。逆にいえばしっかり学んでおけば必ず役に立つ知識、技術です。薬剤師としての知識、技術を覚えながらでは大変かもしれませんがぜひ頑張って身につけてみてください。きっと数年後に大きな違いが生まれると思います。

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