病棟で感染症について調べるとき「抗菌薬、微生物、感染症と調べることが多い」「それぞれの方面から調べたいから良い資料がほしい」「おススメの書籍が知りたい」など病棟などで使う感染症の書籍を探している先生も多いのではないでしょうか。
自分は大学病院に勤務し10年以上ICU、外科、腫瘍内科病棟で感染症治療に介入してきました。
今回は職場の後輩から聞かれた「病棟に持って行ける抗菌薬の書籍」として「感染症プラチナマニュアル」を紹介します。
この記事を読むことで、感染症プラチナマニュアルの良さがわかります。
感染症プラチナマニュアルは持ち運びに便利なポケットサイズです。さらに、毎年改訂され、抗菌薬と微生物、感染症に分けて記載されており、日本の感染症治療に対応した内容を必要最低限の情報に絞ってある点がおすすめの理由です。ぜひ白衣のポケットに入れて使ってみてください。
2023年に最新版のVer. 8 2023-24が販売されています。
感染症プラチナマニュアルについて
感染症プラチナマニュアルは感染症治療に必要なことが詰まったポケットサイズの書籍です。例えるなら、感染症書籍で有名な感染症レジデントマニュアル(通称:青木本)のポケット版です。
青木本は感染症治療について網羅的に書いてある辞書みたいな本だね。
内容は感染症診療の8大原則から始まり、抗菌薬、微生物、各感染症への対処法が中心です、他にも、適切な抗菌薬の投与期間や微生物毎の潜伏期間、予防接種、妊婦授乳婦への対応、薬物間相互作用、ワクチンなど様々な資料が掲載されています。
付録部分も充実している点も見逃せません
感染症診療の8大原則
この書籍で紹介されている「感染症診療の8大原則」は感染症を学習するうえでも重要な物ばかりです。感染症レジデントマニュアルや抗菌薬の考え方・使い方でも同様の内容が紹介されています。
どれも他の書籍で紹介されていますが、それだけ大切なことです。
感染症プラチナマニュアル:おすすめの理由5選
次に感染症プラチナマニュアルのおすすめポイントを5つ紹介します。いくつか該当する書籍は他にもありますが、5つすべてがそろった書籍はこの本だけです。
白衣のポケットに入る大きさ
この書籍の便利な点は白衣のポケットに入る大きさなことです。感染症の治療はどの病棟でも関わります。また、調剤の際も投与量の確認などでも抗菌薬について調べる機会はあると思います。そのため、白衣ポケットに入り常に持ち運べる点は大きなメリットです。
抗菌薬、微生物、感染症に分けてまとめられている
感染は抗菌薬、微生物、感染症の3つの視点で考える必要があります。そのため、3つの視点それぞれから調べることはよく起こります。その点でも感染症プラチナマニュアルは使いやすいです。
しかし、ポケットサイズで3つの視点で調べることのできる書籍は他にもサンフォードマニュアルやJAID/JSC感染症治療ガイド、感染症診療の手引きなどがあります。しかし、これらの書籍にはないメリットが感染症プラチナマニュアルにはあるので紹介します。
毎年改訂される
感染症プラチナマニュアルは毎年改訂、出版されます。一方、多くの書籍は数年に一度の改訂です。抗菌薬は抗がん剤のように毎年新薬が発売されることはありません。改訂内容は多くないですが、より使いやすい内容になっています。新人薬剤師にとっても改定版を待つことなくいつでも購入できるため、初めて購入する感染症の書籍におススメです。
自分は今年も買い替える予定です。毎年購入する価値のある一冊ですね
日本の感染症治療にあった内容
感染症プラチナマニュアルは日本の感染治療にあった内容になっています。日本にはあるが、海外で広く使用されていない抗菌薬があります。セフメタゾールやテイコプラニンが該当します。また、海外では販売されているが、日本では承認されていない抗菌薬もあります。サンフォードマニュアルも毎年改定されていますが、記載されているのは海外の標準治療です。そのため、日本での標準治療に適合しない記載があります。感染症プラチナマニュアルは日本の感染症治療の現状にあった治療方法が記載されている点が使いやすいです。
情報が絞り込まれている
感染症プラチナマニュアルは必要最低限の情報に絞って記載されています。抗菌薬は多くの種類がありますが、全てが必要ではありません。実際に治療で用いる物はその中の一部です。
実際に、以前にまとめた抗菌薬10選を覚えれば多くの治療に対応できます。
感染症プラチナマニュアルでは抗菌薬は「オススメ&押さえるべき薬剤」として紹介されています。また、病原菌や疾患も必要な情報のみ記載されているので、初心者でも読みやすいないようです。
まとめ
今回は感染症プラチナマニュアルがおススメの理由を5つ紹介しました。
感染症プラチナマニュアルを使って患者さんの症例にどんどん介入していって下さい。介入した内容は症例報告としてまとめて、抗菌化学療法認定薬剤師にも挑戦してみてください。紹介記事のリンクを貼っておきますので、ご覧ください。
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