薬学部実務実習で準備・確認するもの9選、絶対にしてはいけないこと3選

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5月から薬学部では実務実習が始まると思いますが、学生さんはいかがお過ごしでしょうか?「実習がうまくできるか不安」「指導薬剤師の方とうまくできるか心配」「実際に臨床現場に出るのは緊張する」など多くの不安を抱えていると思います。

自分は6年制薬学部の一期生として実習を受け、その後も病院で実務実習で学生指導に関わっています。現在では認定実務実習指導薬剤師を取得し、病院で実務実習の担当責任者として大学や学生と病院の橋渡しの役目をになっています。

今回は、実務実習前の学生さんに向けて実務実習に向けて準備すべきこと絶対にしてはいけないことを紹介します。必要な準備を整えることはもちろん、これをやったらNGを知ることで実務実習の不安を少しでも取り除いて、有意義な実務実習に臨んでください。

就職先によっては今後働く機会のない職場やそこで働く薬剤師さんの仕事を知る貴重な機会になります。また、貴重な就職活動の機会にもなるのでしっかり準備して望みましょう。

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実務実習で必要な準備

はじめに実務実習に向けて必要な準備について確認しましょう。準備することは持ち物実習スケジュール評価方法の確認です

実務実習で必要な持ち物

はじめに実務実習で必要、おすすめの持ち物を紹介します。簡単にまとめると薬剤師として臨床現場で働くために必要なものを準備していきましょう。

医薬品集

まずは医薬品集は必ず準備しておきましょう。大学で試験やCBTを通して医薬品について学んでいると思います。しかし、実際の医療現場でよく使われる薬剤とCBTや国試で重要な薬剤には差異があります。

ダイナ
ダイナ

教科書の薬、治療法と実際の内容が異なることはよくありますね。

CBT、国試では開発の経緯や歴史的に重要な薬剤も出題されます。また、最新の薬やガイドライン、治療法に関しては教科書や教本にも掲載されておらず出題もされないことが多いです。その結果、大学で学習する機会のないまま実習先でいきなり知ることは多々あります。

わからない薬剤や勉強した薬剤をチェックしておけば現在の医療現場でよく使う薬剤をしっかり学ぶことができるようになると思います。その際に服薬指導の方法とリンクして覚えておけば、国家試験でも卒業後の業務でも役立つ知識を蓄積することに繋がります。

医薬品集はアプリでもいいですか?と質問を受けますので、自分の考えを紹介します。アプリを持っていてもいいですが、医薬品集を持っていきましょう。実習先が業務中のスマホや電子機器の使用が禁止の場所があります。

また、稀に医薬品集を持ってきていない=やる気ないと言ってくる人もいるので余計な手間を避けるためにもぜひ持っていきましょう。

医薬品集には様々な種類がありますが、実習に向けて自分にあったものを準備していきましょう。医薬品集についてはこちらの記事を参考にしてみてください。また、過去のXのアンケートでは医薬品集で使用者が多いのは「今日の治療薬」でした。迷ったらこれをおすすめします。

キャップレス・フルネーム印鑑

次に、印鑑を準備しましょう。印鑑には様々な種類がありますが、自分がおすすめする印鑑には以下の3つを挙げています。せっかく準備するので、薬局、病院に就職した後でも使えるものを使いましょう。

おすすめの印鑑
  • キャップレス印鑑
  • 姓名(フルネーム)での表記
  • インクの補充が簡単

※施設によっては印鑑を統一しているところもありますので、事前に確認しましょう

印鑑はキャップレスのものがおすすめです。いちいちキャップをつけたり外したりするのは面倒ですし、キャップをなくすとその後が面倒です。もちろん、毎回朱肉につけないといけないようなものは絶対に避けましょう。

また表記は、姓名(フルネーム)のものをおすすめします。佐藤、鈴木、高橋などよくある苗字の方(日本ベスト3)でなくとも、同じ施設内に同姓の方がいる可能性がありますので、印鑑はフルネームのものを用意しましょう。

最後はインクの補充です。実際に調剤をするとわかると思いますが、インクは消費は調剤をするとかなりの量を消費します。インクの補充は簡単で、補充直後も普段通り使用できることが望ましいです。そのため、自分は印鑑と反対側から補充するタイプをお勧めしています。

自分がおすすめするのはこれです。これにリールホルダーをつけておけば取り扱いも簡単です。

白衣、上履き

白衣は綺麗なものを着用しましょう。実習先によっては指定の白衣、ユニホームを借りられるところもあります。洗濯の仕方や返し方も含めて実習前、遅くとも実習の初日には確認しておきましょう。

また上履きも施設によっては必要、さらに色が指定されている場合があります。事前に確認して準備しましょう。

ダイナ
ダイナ

自分の施設では上履きは白と決まっている(理由は不明)ので学生さんは大変そうです。

ハサミ

ポケットに入る大きさのハサミを持っていくと便利なのでおすすめです。調剤の時にPTPシートを切る以外にもお薬手帳のシールの大きさを調整したりするのに持っておくと便利です。

実習先によっては調剤室のいたるところにハサミを準備してあるところもありますが、ないことを想定して準備するのがおすすめです。

ダイナ
ダイナ

調剤室で使える備品はあらかじめ確認しておくのもいいですね。先輩や事前の挨拶の時に確認しておきましょう。

筆記用具、メモ帳

実習中に教えてもらったことや気になったこと、後で調べておきたいことはメモする習慣を実習を通して身につけましょう

最近の国家試験では服薬指導や薬剤選択の考え方がそのまま国家試験に出題されるようになっています。そのため、実務実習で学んだことを記録して身につけることができれば、実務との複合問題に余裕で対応することができるかもしれません。

メモを取ることは周りへのアピールにもなるのでしっかりやりましょう。実習書を持ってきていないよりもやる気がないと考える人の割合は多そうです。

実習書、評価表

大学から配布される実習表、評価表は常に持っておきましょう。この理由については次のセクションで詳しくお話します。

一般的に実務実習に必要と考えられる持ち物は以上です。事前に実習書や実習施設に確認して忘れ物の内容にしましょう。

実務実習前に確認しておくこと

持ち物の次は確認事項の紹介です。ここで確認することはスケジュールと評価方法などについてです

実習のスケジュール

まずは実習のスケジュールを確認しましょう。特に集合時間や場所が変わることがないかの確認は必須です。病院実習でも初日はオリエンテーションのため集合時間が早まることがあります。また、薬局実習でも店舗以外での集合研修もあるため事前に場所と時間を確認しておきましょう。実習生とはいえ、遅刻は致命的な事象になる可能性があります。

評価についてもこの日の実習で評価が決まる項目もあります。そのため、その日は休まないように注意が必要です。大学の用事や就職活動などと日にちが重複していないか事前に確認し、必要に応じて変更等の交渉をしましょう。

実習の評価項目

実習生が忘れがちな確認事項に実習の評価項目、評価方法があります。実務実習に関わる指導薬剤師は基本的には大学等からの説明を受けています。しかし、実際に説明を受けるのは薬局、病院ともに代表者のみであることは多く、現場で指導する薬剤師全員が実習の内容やスケジュール、評価方法を熟知していないことは多々あります。その結果、最終評価の段階で合格に必要な項目が不足することが無いように注意しましょう。

具体的な対策として、評価表の内容その合格基準を事前に確認しておきましょう。そして、各項目をクリアする方法がどの実習内容なのかを確認しておきましょう。

実際の事例に、実習生から言われていないため特定の項目を満たす実習内容を準備していないまたは実施、評価をしていないと実習施設から言われる事例もあるようです。自己責任にならないようにしっかり確認しましょう。

緊急連絡先

最後は緊急連絡先です。実習期間中には様々なトラブルが起こる可能性があります。体調不良、電車事故での遅延、不慮の事故、様々な理由で実習を欠席、遅刻する可能性があります。または実習先から緊急連絡を受けることもあり得ます。緊急連絡をする手段は遅くとも初日には確認しておきましょう

実習中に絶対にやってはいけないこと

次に実習中にこれだけはやってはいけないことを3つ紹介します。冗談抜きでこれはやってはいけません。

無断欠席、無断遅刻

人間である以上、体調を崩すことがあります。本人に問題がなくとも交通機関の遅れで遅刻することもあると思います。しかし、無断(連絡をしない)は絶対にいけません

実習施設は大学や親御さんから学生やお子さんを預かる立場になるので普通に心配します。大学や本人、自宅に連絡し大事になりかねません。そして、本人の連絡忘れであることがわかると大きく信頼を失う結果になります。

やむを得ず遅刻や欠席する場合は必ず連絡しましょう。

ダイナ
ダイナ

そのためにも緊急連絡先を確認しておきましょう。

虚偽の報告

遅刻や欠席の理由、失敗した事実について指導薬剤師への虚偽報告は絶対にいけません。指導薬剤師からの信頼を大きく失うだけではありません。最悪の場合、実習が継続困難になる可能性すらあります。

失敗は誰にでも起こりうることです。しかし、その際は正直に申告し適切に対応するように心がけましょう。

個人情報の流出

最後に個人情報の流出があります。実習先で得た患者さんの情報(名前や住所など)を外部に流出させることです。特にSNSで何気なくとった写真をアップしたら個人情報が映っていたなどはもちろん、勉強用に患者さんのIDをメモしたものを施設外に持ち出したり紛失した場合も同様に扱われる可能性があります。

それ以前に理解すべきこととして、個人情報の流出は大学や実習先の施設のルールの逸脱ではなく、法律違反(個人情報保護法)になる可能性があります。個人情報の取り扱いをするも実習中にはありますがしっかりと管理方法については確認しておきましょう。

ダイナ
ダイナ

自分の施設では個人情報は施設から持ち出さないことと、USBの使用を禁止しています。

実習中の違反行為が与える影響

まずは、大学への印象が悪くなる可能性があります。次年度以降の実習生の受け入れに難色を示される可能性があります。また、就職活動への影響もゼロでは無い可能性があります。実習施設に就職することはもちろん、その施設と繋がりのあるところにも情報が流れる可能性はゼロではありません。

まとめ

今回は実務実習に向けて準備や確認が必要なことをまとめました。忘れ物や確認漏れがないようにしっかり準備しましょう。そして、絶対にしてはいけない3つのことは決してしないでください。

初めて医療現場に行く学生さんも多いと思いますが、実習生を受ける我々もしっかり準備しておりますので基本的には安心して実習に臨んでください。そして実務実習を経て自身の今後の進路についてしっかり考えるきっかけにしてください。

みなさんの実習が有意義になものになることをお祈りします。

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