みなさんは薬剤師の学会に参加したことはありますか?「まだ若手だから行ったことがない」「行ったことはあるけど十分楽しめなかった」「行きたいけど何をすればいいかわからない」など様々な意見があると思います。勤続年数、発表の有無を言い訳にしていませんか?
今回は学会に行ったことがない、学会での楽しみ方がわからない方に向けて「初参加の方にも楽しめる学会の歩きかた」を紹介します。
自分は実際に毎年学会で発表をし、参加者との交流を楽しんでいます。そして、今年も医療薬学会には当然のように参加予定です。
学会参加自体はそれほどハードルが高いことではありません。まずは参加してみてから考えましょう。初心者にお勧めなのは「シンポジウムの聴講」と「ポスター発表の演者とのお話」です。
この記事では、初めて学会に参加した方でも有意義な時間を過ごすためのヒントになる内容を紹介します。勇気を振り絞って踏み出した一歩は大きな進化に繋がります。その一歩を踏み出すお手伝いができれば幸いです。
学会に参加するメリット3選
学会に参加されると多くのメリットが得られます。自分が学会への参加をお勧めする理由でもあるので紹介します。
どれも学会会場ならではのことなので、ぜひ参加してみてください。
今回もX(旧Twitter)でアンケートをとりました。
テーマは「若手薬剤師の頃に学会に参加、発表した経験があるか?」です。結果は以下の通りです。
思ったより参加経験のある薬剤師さんは半分くらいですね。つまり、若手のうちから学会に参加することは大きなアドバンテージになるかもしれません。「発表しないから」、「まだ新人だから」、「わからないことが多いと心配だから」などはいずれもやらない理由探しです。旅費や参加費もかかりますが、まずは宿泊の必要のない学会から参加してみるのもありです。
まずはメリットについて、順番に紹介していきます。
最新のトレンド情報が手に入る
学会に参加するメリットは最新のトレンド情報が手に入ることです。学会では様々なシンポジウムや発表があります。そのテーマを発表者が選んだ理由の一つが「今の旬なテーマだから」「これから注目されそうな内容だから」です。
シンポジウムは発表する際に選考があります。その時の選考基準の一つは「多くの参加者にとって有益か」です。そのため、各シンポジウムは現在または近い将来の旬なテーマが取り扱われることが多いです。そのため、その内容を確認すれば、流行の最先端とその情報を知ることができます。
流行の最先端をまとめて知ることができる機会になるよ。
最新トレンドをまとめて知りたい方にとって、学会への参加はお勧めの理由の一つです。
認定、専門の単位がもらえる
薬剤師の認定や専門を目指している方は学会参加がおすすめです。理由は2つあります。1つ目は学会への参加や発表は認定・専門の取得に必須となる場合がある点です。もう一つは認定・専門を取得するために必要な単位をもらうことができます。参加のみでも単位がもらえますが、場合によては指定された発表を聴講する必要もあります。
欲しい認定・専門がある場合は事前に確認しておこう。
認定・専門の取得が1年遅れないようにしっかり把握しておきましょう。
多くの人との出会いがある
学会会場では多くの方との出会いもあります。特に発表を通して他施設の薬剤師さんと交流できるのは大きなメリットです。普段関わることが少ない他施設の薬剤師さんとの会話から研究や業務効率化のヒントがあるかもしれません。
人との出会いや交流は一歩踏み出すきっかけにもなります。
人と出会うことは発表よりも有益な情報が手に入ることもあります。学会によっては後で動画配信があります。どんどん人と交流しましょう。
お仕事がもらえるかも
ある程度実績をつむとそこから執筆や公演のお仕事が舞い込んでくることもあります。発表や会話を通して「〇〇といえばあの人」と印象づけることができるとこのようなチャンスに巡り会うこともあります。
自分も何度か執筆のお話をいただきました。
そのため、初めてあった方に覚えてもらうためにも名刺を持っていくことがおすすめです。名刺を持っていなくても、簡単にオリジナルの名刺を作ることができます。詳しくは下の記事をご覧ください。
非日常を楽しめる
最後のメリットは普段行かない土地に行ったことによる楽しみです。全国規模で行われる学会では現地のグルメや観光のチャンスもあります。
自分も毎年ご当地グルメを楽しんだりしています
また、前にきたことがあるところではお気に入りのお店ができるなどの楽しみもあります。発表などの仕事も息抜きも全力でやるのが一人前の社会人です(笑)。
ここまで学会に参加するメリットを紹介しました。
何度も参加するうちにその楽しさにも気が付くことができます。しかし、初めての学会でどうすればいいかわからない方もいると思うので、今回は初心者おすすめプラン3選を作りました。よろしければ参考にしてください。
初参加者にお勧めプラン3選
今回自分がおすすめするおすすめプランは次の3つです。
順番に紹介していきます。
シンポジウムの聴講
はじめに紹介するのはシンポジウムです。学会では様々な発表が行われます。しかし、いきなり口頭演題などを聞いても若手の薬剤師さんや学生さんではピンとこないこともあると思います。
そこでおすすめなのはシンポジウムの聴講です。シンポジウムはある特定のテーマにあった内容の発表を連続で聞くことができます。また、選ばれるテーマも今の旬の内容や今後発展が期待される領域の内容なので初めて聞くのにもおすすめです。
プログラムのシンポジウムの中から自分の興味のあるキーワードがないか探してみましょう。
逆になんとなく聞いた内容に興味が湧いて自分の専門に繋がることもあるから気軽に聞いてみよう。
ポスター発表者に話しかける
次におすすめなのは、ポスター発表者に話しかけることです。発表者に話しかけることに緊張するかもしれませんが大丈夫です。発表者も「誰からも質問されなかったらどうしよう」と思っていることが多いからです(笑)
自分も他施設の人がこないと不安になります。
何より、発表者と話すことには次のようなメリットがあります。
そのためどんどん話しかけましょう。ただし、最低限のマナーは守る必要があります。
これらを守りさえすれば失礼に当たることはありません。相手も質問された=自分のテーマに興味を持ってもらえたと思い話してくれるはずです。勇気を持ってはじめの一歩を踏み出しましょう。
交流会に参加する
最後は交流会への参加です。学会会場には多くの施設から薬剤師さんがあつまります。すでに学会参加歴の長い方だと知り合いの方も多く、自施設の若手を誘って多施設での交流会が開催されることがあります。
自分もよく参加して他施設の方と交流しています。
自施設の顔の広い先輩薬剤師には学会に参加することや交流会の有無を確認しておきましょう。
他にも次のような方法があります。
自分の繋がりを広げる方法はたくさんあります。繰り返しになりますが、はじめは緊張すると思いますが勇気を振り絞って人と会ってみましょう。必ず道が開けると思います。
まとめ
今回は初めて学会に参加される薬剤師さんに向けて学会参加のメリットと初めて学会に参加した時にお勧めのプランを紹介しました。
皆さんもぜひ学会に参加して、自分の世界を広げてみましょう。
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