皆さんは日本病院薬剤師会には入っていますか。
病院によっては全員入会になる施設もあると思います(自分の施設もそうです)。
では、日病薬病院薬学認定薬剤師を取得してますか?または考えていますか?
結論から先にいうと日病薬病院薬学認定薬剤師は早くに取得すべきです。
今回は日病薬病院薬学認定薬剤師の取得までのロードマップを紹介します。
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日本病院薬剤師会とは
日病薬の紹介
まずは、日本病院薬剤師会の紹介です。
日本病院薬剤師会は、病院や診療所などの医療機関に勤務する薬剤師の職能団体です。
全国の47都道府県にもそれぞれ病院薬剤師会があり、
その都道府県の病院薬剤師会の会員で構成されています。
会員数約42,000名です。
また、「日本病院薬剤師会」と「各都道府県の日本病院薬剤師会」があり、
入会の時はこの両方に入会します。
入会は各都道府県の日本病院薬剤師会から入会できます。
入会届に必要事項を記載して、メールで提出すれば完了です。
会費は日本病院薬剤師会が8,000円+各都道府県の日本病院薬剤師会は都道府県で異なります。
日本病院薬剤師会 会員の権利
会員の利点は以下の通りです。
- 学術大会の参加費の割引(10,000円➡9,000円)
- 講習会の参加費の割引(1,000円➡500円)
- 学会での発表
- 日本病院薬剤師会雑誌の購読と投稿
- 日病薬の認定・専門の取得
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認定・専門が取りたい場合は
入会する必要があるんだね。
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そうだね。
取りたい認定、専門がある場合は入っておいた方がいいね。
でも、ただ入るだけじゃダメなんだよ。
雑誌への投稿や学会への発表ができるのも利点の一つですが、
今回は認定・専門にフォーカスして進めていこうと思います。
それでは、本題の日病薬病院薬学認定薬剤師制度を含めた認定・専門制度についてみてみましょう。
日病薬病院薬学認定薬剤師制度とは
日病薬の認定・専門には、がん、感染制御、精神科、妊婦授乳婦、HIV感染症の
認定・専門薬剤師の取得が可能です。
詳細はHPをご確認ください。
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これらの専門性を高めようとするなら
いずれも取得を検討したい認定ですね。
しかし、いきなり各認定・専門は取れません。
それらの認定・専門を取得するためにはベースに日病薬病院薬学認定が必要になります。
また、他の学会の認定
特に、日本医療薬剤師会の医療薬学専門薬剤師を取得するためにも
日病薬病院薬学認定などのベースとなる認定が必要になります。
これが、自分の考える、
日病薬認定を早く取得すべき最大の理由です。
今後、他の認定・専門を取る際に必要になることが多く、
後述しますが最短でも3年かかり、取得方法が少し複雑です。
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それなら、まずは日病薬病院薬学認定を
取っておかないといけないね。
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実際にいざ認定・専門を取ろうとしたら、
日病薬病院薬学認定が無くて先延ばしになるケースがあるみたい。
そうなったらもったいないよね
せっかく認定・専門の準備をして約5年以上の薬剤師経験を積んでいても、
ベースの認定が無いために申請を遅らせないといけないのはもったいないです。
事前にきちんと確認しておきましょう。
それでは、認定取得の方法を見てみましょう。
※以前は研修センターの認定等もありましたが、現時点で、一番取りやすいのがこの認定です。
日病薬病院薬学認定の取得要件
取得要件
日病薬病院薬学認定の取得要件は以下の通りです。
(1)本会正会員又は特別会員(保険薬局勤務・大学教員等の薬剤師)であること
(2)過去3年度を通算して50単位以上を取得し、かつ下記①~③のすべてを満たすこと
①日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラムのうち、下記の項目の単位数を取得していること
- Ⅰ-1~3の各項目の中から1項目以上履修し、合計2単位以上取得すること
- Ⅱ-1~6の各項目の中から2項目以上履修し、合計4単位以上取得すること
- Ⅲ-1~2の各項目を履修し、合計4単位以上取得すること
- Ⅳ-1~2の各項目を履修し、合計4単位以上取得すること
- Ⅴ-1~3の各項目を履修し、合計6単位以上取得すること
②薬剤師認定制度認証機構から認証を受けた他の生涯研修プロバイダーから付与された単位は
有効とする。ただし、日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラムに沿った
内容の研修会あり、かつ通算50単位のうち10単位以下であること
③毎年度(4月1日から翌年3月31日まで)10単位以上取得していること
(3)日病薬病院薬学認定薬剤師認定試験に合格すること
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たくさんあってややこしいよ~
単位にも取り方があるんだね。
![ダイナ](https://dainaphblog.com/wp-content/uploads/2022/06/名称未設定のデザイン-6.png)
単位の取り方にコツがあるんだよ。
理解してないと取り損になってしまうし、
下手をすると1年延長なんてこともあるから気を付けて
では、一つずつ見ていきましょう。
まずは学会員であれば(1)はクリアです。
次の(2)が一番の課題です。
初めに、研修手帳を学会HPより入手しましょう。
ここからはいわゆる「点数集め」です。
3年間で50単位を集めるのは気が遠くなりそうですが、困難は分割しましょう。
1年間で17点です。
しかし、ただ単位を取るだけではいけません。
単位取得時の注意点
(2)①に各項目での必要な点数が指定されています。
例を挙げると、
「Ⅰ-1~3の各項目の中から1項目以上履修し、合計2単位以上取得すること」
であれば、1~3の項目のうち1項目選んで2単位取るまたは2項目選んで1単位ずつ取る
これで達成です。
それ以上の点数をとっても構いませんし、この項目はここで止めても大丈夫です。
また、
「Ⅲ-1~2の各項目を履修し、合計4単位以上取得すること」
であれば1~2の項目のうち合計4点取ることに加えて、各項目で1単位以上取る必要があります。
このように単位を取ることに加えて、どの項目の単位を取るかも重要になります。
講習会やe-learningであればどの項目か記載してあるので必ず確認しましょう。
一方で、学会では「項目なし」となり、
全単位の50単位に数えることができますが、各項目には含まれません。
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どの項目を取っているのか
どの項目が足りないのか
全体で何単位必要なのかを確認しないといけません。
またもう一つ重要なことがあります。
③の「年10点を取る」は忘れないでください。
もし仮に3年目に10単位取れなかった場合は、初めからやり直しになります。
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②の他の研修施設からの単位は考えなくていいの?
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以前は、研修センターがあったんだけど、
効率が悪くなったから今は考えなくていいよ。
日病薬の単位のみで十分50単位に足りるから大丈夫。
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もう一つ忘れてはいけないことがあります。
単位のシールをなくさないことです。
再発行はしてもらえないので気をつけましょう。
次に点数の取得方法についてです。
認定に必要な点数取得方法
点数の取得方法は主に2通りあります。
①学会、勉強会等への出席
②e-learningの受講
それぞれのメリット、デメリットがありますので見ていきましょう。
学会、勉強会への出席での取得
学会、勉強会への参加で点数を取得できます。
目安となる相場は2時間で1点です。
講習会であれば半日で2単位程もらえます。
学会であれば開催時間分ですので、1日参加であれば3~4点が取得できます。
関東ブロック大会や医療薬学会の年会であれば参加で6~12点くらい取得できます。
ですので3年間繰り返すだけで40点以上は問題なくクリアできると思います。
このように学会や講習会は一度に大量の単位を獲得することができる点がメリットです。
一方で、学会参加では「項目なし」となり、各項目に必要な単位に分類されません。
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いろいろなシンポジウムがあるから仕方がないですね
また、講習会では単位の項目に偏りが出やすいです。
主にⅣやⅤだらけになる印象です。
ですので、学会や講習会では項目は気にせず、単位をどんどん取っていきましょう。
e-learningの受講
e-learningは日病薬が運営するオンライン講座です。
内容は過去の講習会の録画放送です。
費用は5,000円/年です。
毎年6~7月くらいから開始され、3月末までの期間有効です。
e-learningの最大のメリットは項目ごとに単位が取れる点です。
有効期間内に必要な項目の単位を最低限とっておくのがおすすめです。
最も効率的な単位の取り方
単位を取得する効率的なおすすめな方法を紹介します。
まず、学会に参加しましょう。
日本病院薬剤師会のブロック大会と医療薬学会に参加しましょう。
ここで約15単位は取れると思います。
これを3年間実施しましょう。ここだけで45単位取れます(ただし「項目なし」)。
会場によっては行くことが難しい場合もあるのでその場合はスキップも可能です。
そして最後の年に、e-learningを受講しましょう。
ここでは未達成の項目分を取得しましょう。
この方法で最速で必要単位が取れると思います。
もちろん、毎年e-learningを受講するのも良いですが、学会にはいくことをお勧めします。
最新の情報や多くの出会いなどたくさんの刺激を得ることもできるので、
単位を取るためだけでなくおすすめです。
試験
50単位と必要書類を提出したら試験を受けて(受験料:2,000円)完了です。
試験方法は自宅のPCでのCBT形式です。
問題は毎回違いますし、途中離脱できませんので、時間と環境を整えて挑みましょう。
合格基準は受験者の成績上位10%の平均点の70%となっています。
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テストは苦手だよ~
何を勉強すればいいの?
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うーん、勉強は特にしてないね。
普段の業務で目にする内容がわかっていれば基本的には大丈夫だったよ。
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普段から疑問をそのままにしない姿勢が大切ということです。
合格率は90%を超えると聞きますが、油断せずに臨みましょう。
試験に合格したら最後に認定料(約5,000円)を払い無事に認定取得となります。
試験に合格したらあとは認定料を払い無事に認定取得となります。
更新について
更新は6年ごとに必要です。
必要な単位数は100単位
また、必要な各項目の単位数がすべて2倍になっています。
1年間に最低取得単位は10単位、ここは変わりません。
更新を忘れると、他の認定・専門の更新へも影響が出ますので、必ず毎年確認しましょう。
まとめ
日病薬病院薬学認定薬剤師を取得すべきたった一つの理由が
「ほかの認定、専門の取得において必要になる」
からです。
薬剤師が臨床現場の最前線で活躍できるのは最長で15年(25歳~40歳を想定)くらいです。
その間に自分を磨き上げ、後進を育てるとなると時間は必要です。
そのためには、いち早く認定を取得する必要があると思います。
必要な準備は早い方がもちろん良いです。
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自分と同じ後悔をしないように
頑張てください。
まずは、研修記録のダウンロードからです。リンクを貼っておいたのでご活用ください。
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