薬剤師にとって医薬品週は必須のアイテムです。「何種類も販売されていてどれを選べばいいかわからない」「周りの先輩はどの医薬品集を使っているか知りたい」「病院実習にいくのに準備したいからおすすめを知りたい」などの自分に合った医薬品集を知りたい先生も多いと思います。
自分は大学病院に勤務し10年以上様々な診療科の病棟で薬剤師業務を行ってきました。
今回は後輩からの「医薬品集を選ぶ上でそれぞれの特徴とおすすめ理由を知りたい」という疑問の答えを考え、おすすめの医薬品集5選とその特徴をまとめました。
この記事を読むことで、自分に合った医薬品集を選ぶことができます。
今回は医薬品集を5種類紹介します。今日の治療薬、治療薬ハンドブック、治療薬マニュアル、ポケット医薬品集、Pocket Drugs、これら5種類の特徴について紹介します。自分に合った医薬品集を見つけられれば嬉しいです。
医薬品集を使う理由
皆さんはお気に入りの医薬品集を持っていますか?どのように決めていますか?医薬品集は薬剤師として働く上で薬の用法用量の確認や、採用のない持参薬の代替薬を調べるのには必須のアイテムです。最近は添付文書もアプリで見ることも可能です。添付文書では用法用量や適応疾患を調べることは可能です。しかし、医薬品集では他にも多くの情報を得ることが可能です。
しかし、その記載項目や書籍の大きさ、電子媒体の有無はそれぞれ特徴があります。そこで、今回は5種類の医薬品集を5つのポイントから比較しました。
今日の治療薬、治療薬ハンドブック、治療薬マニュアル、ポケット医薬品集、Pocket Drugsをこれらの特徴を中心に紹介します。
今日の治療薬
今日の治療薬は書籍版とは別に、アプリ版が販売されることになりました。アプリ版はサブスクリプションとなっており、月額429円(税込)、年額5,060円と書籍版よりお得です。さらに、毎月内容が更新される予定ですので、買い替えの必要もなく、新規の医薬品についても対応が可能になるそうです。
アプリ版は無料のお試し版が使用できるので興味のある先生はお試しください。
一方で、腎機能による投与量の記載、妊婦・授乳婦への対応の記載はないため、他の手段での対応が必要になります。また、書籍版は白衣のポケットに入れることはできません。アプリ版はスマートフォンやタブレットに入れることができるので、持ち運びやすくなりました。
治療薬ハンドブック
治療薬ハンドブックはじほうが販売する医薬品集です。じほうは、様々な医薬品に関する書籍を販売しています。そのため、腎機能低下時の投与量の投与量の調整や妊婦授乳婦への投与の可否、粉砕の可否など様々な情報がまとめられております。そのため、初めて使う医薬品集として、医薬品の適応や投与量を調べながら、上記のような情報を合わせて確認できます。
また、書籍を購入するとアプリ用のシリアルナンバーがついており、スマートフォンやタブレットで簡単に情報検索することも可能です。書籍にするかアプリにするか迷う先生にもおすすめできます。
自分も長年愛用しています。普段は主にアプリ版を使って、学生さんと一緒に確認する時は書籍を取り出しています。
治療薬マニュアル
治療薬マニュアルも書籍を購入するとWeb版が無料で使用することができます。しかし、Web版ではネットが使える環境下でないと使用できない欠点もあります。一方で、今日の治療指針を合わせて購入することで、病気や治療方法を調べる過程で、医薬品のリンク先を確認すると、治療薬マニュアルのページに飛んで、確認することもできます。
記載内容については、妊婦授乳婦に関する記載はありますが、腎機能低下患者さんへの記載はありません。腎機能については別の書籍で補完する必要があります。
パソコンを使って調べ物をする人であればおすすめできるかも。施設によってはWeb版を契約しているところもあるみたいだから、確認するといいね。
ポケット医薬品集
ポケット医薬品集は白衣のポケットに入れて持ち運ぶことができる大きさです。記載内容も添付文書の内容に加えて、薬剤の使い分けや臨床におけるポイントなど幅広い内容が記載されています。一方で、著者の先生方による選択があるため、情報に偏りを感じることもあります。記載内容についても使いこなすのにはやや慣れが必要な印象です。この書籍が好きな先生は毎年購入しているので、自分に合っていると感じれば使ってみるのも良いと思います。立ち読みすることもできますので、ご覧ください。
また、アプリやWeb版はありませんが、これまで紹介した書籍とは異なり、ポケット医薬品集の名前の通り、ポケットに入れることができます。持ち運ぶことを考えると良い選択肢になると思います。
Pocket Drugs
Pocket Drugsはポケットサイズの医薬品です。白衣のポケットにも入れることもできます。また、内容については、今回紹介する中で唯一カラーでの表記となっています。また、書籍の値段も最も安いです。一方で、記載されている内容には他の書籍と比べると少し情報量の不足を感じる先生もいます。また、アプリやWeb版はありません。しかし、大きさは今回紹介した中で最も小さく、持ち運ぶことを優先させたい先生にはおすすめです。
まとめ
今回は5種類の医薬品集を紹介しました。それぞれの特徴を確認して、自分に合った医薬品集を準備して新年度を迎えてください。
また、今回紹介した書籍と合わせておすすめしたいのが、腎機能別薬物投与量POCKETBOOKです。
腎機能低下時の薬剤の投与量を調べることもできます。また、専用のアプリもありますのでスマホでも必要な時に投与量を確認できます。紹介記事のリンクを貼っておくのでご確認ください。
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