「感染症、抗菌薬がわからない」
「もっと抗菌薬について勉強したい」
感染症は原因菌の数が多い、抗菌薬の数も多いから難しいと感じると思います。
抗菌薬は丸暗記でなく、知識面では考え方の基本を理解し
技術面では実際の臨床経験を身に着ける分野です。
これから感染症を勉強したいと考えている、
そんな若手の薬剤師の先生方や学生さんにおすすめな書籍を紹介します。
ずばり感染症会の名著「抗菌薬の考え方、使い方」(通称、岩田本)です。
今回は何故この書籍がおすすめなのか、その理由を3つ紹介します。
この書籍を読んで感染症診療に関わる第一歩を踏み出しましょう。
初めに:抗菌薬を難しいと考える理由
抗菌薬の勉強を始めるうえで最大の壁な何だと思いますか?
菌や抗菌薬の種類が多くて
覚えきれないことだよ
多くの人がそう考えるよね。
でも感染症はたくさんのことを覚えるより、
まず考え方を身につけたほうがうまくいくよ
多くの若手薬剤師の先生方が初めに
感染症=難しいと考えてしまう理由は以下の3つがあると思います。
これら多くのことを覚えようと考えると、難しいと思ってしまうのは当然です。
しかし、実際はそうではありません。
正直なところ、自分もこれらすべてを覚えてはいないですし、
覚える必要もないと思っています。
多くの場面ではわからないことは調べるだけで解決します。
しかし、考え方の基本は理解しておくことをおススメします。
それら抗菌薬に関する「考え方」や「使い方」を身に着けるための情報が
今回紹介する「抗菌薬の考え方、使い方」には詰まっています。
次に、この書籍が感染症をこれから勉強する先生方におススメできる理由を3つ紹介します。
「抗菌薬の考え方、使い方」がおすすめの理由
基本となるβラクタム系を中心に説明されている
多くの感染症の第一選択になる抗菌薬はキノロン系でもアミノグリコシドでもありません。
βラクタム系抗菌薬です。
もちろん、βラクタム系が第一選択にならない場合、他の薬剤が第一選択になる感染症もあります。
そのため、抗菌薬の勉強を始める場合、まずはβラクタム系から学ぶことが近道です。
「抗菌薬の考え方、使い方」では多くのページが割かれています。
特におすすめなのが、
セフェム系の分類についてです。
自分もセフェム系を「第〇〇世代」でなく、
「〇〇に使えるセフェム」としてグループ分けされているのを読んだおかげで理解できました。
一番使用場面の多いβラクタム系から学べるのは
とても強みになりますね
他の抗菌薬についても
「どんな場面で使えるか」「どんなことが得意か」を丁寧に教えていただきました。
一方で、
「こういう場合には使えない」「この抗菌薬に使い道は無い」など
厳しい意見(通称、岩田節)も理解しやすい一因だと思います。
Aでもできる=Aを使うではない事を教わりました。
今でも考え方の基礎になってます。
抗菌薬の使い方以外の知識も得られる
次におすすめできるのは、抗菌薬の使い方以外の知識も手に入るところです。
岩田本といえばガンダムネタだよね
ガンダムにも詳しくなれるね
もちろんガンダムネタもそうだけど、
抗菌薬を使うための知識が手に入るところだね
抗菌薬を使う上で必要になる知識には以下のようなものがあります。
これらは、感染症を勉強していると必ず触れることになる部分です。
それらを理解するのに必要な情報がこの書籍には詰まっています。
それも、「実際にどのように使うか」を重点的に記載されています。
自分はMICの使い方についてが特に勉強になりました。
特定の感染症、特定の菌についての時にしっかり読むだけで
提案内容が大きく変わる経験ができました。
初心者だけでなく、中級者、上級者になっても知識の整理ができる
最後は誰でも初心者です。自分もそうでした。
しかし、経験を積むといづれは中級者、上級者へとレベルアップしていきます。
その時々に超えるべきステップがあります。
この書籍では次の3段階について抑えるべき掟、ポイントが紹介されています。
自分も1の10の掟は定期的に見直して身についているか、人に説明できるか
確認するようにしています。
この10の掟、10のステップをしっかりと身に着ければ、
抗菌薬の介入もどんどんレベルアップできると思います。
まとめ
今回は感染症を初めて学習するのにおすすめの書籍として
「抗菌薬の考え方、使い方」を紹介しました。
感染症領域にはもちろん他にも良本、名著が多く販売されています。
しかし、自分は今回紹介した3つの理由からこの書籍をおススメします。
そしてこの書籍での勉強をきっかけに感染症症例に介入して問題解決してみてください。
まずは1症例、問題を解決してみてください。
成功体験で得た喜びは次の学習への意欲に繋がるを思います。
そして、目標に抗菌化学療法認定薬剤師の取得を目指すのも良いと思います。
感染症の基礎をしっかり学び、介入することができれば必要な症例は時期にたまると思います。
詳細は以下の記事をご参照ください。
皆様もこの書籍を切っ掛けに、楽しい抗菌薬の世界への一歩を踏み出してみてください。
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